5月の頭、ゴールデンウィーク頃に三ヶ日ではみかんの花が咲き、町中がみかんの花の香りに包まれます。特に採蜜をしている早朝は香りを強く感じやすく、「今年も採蜜のシーズンが来たなぁ」としみじみ思います。

農家さんたちが丹精込めてみかんの木のお世話をしてくださるお陰ではちみつを採ることができるため、本当に自然と地域の方々の支えのどちらかなくしては成り立たないのです。
昨年は例年よりも花が早く、気温の高い日が春に少なかったりしたため、全国的にはちみつが大不作の年で、改めて自然に生かされている仕事なのだということを痛感しました。

無事に越冬をすることができると、2月から「建勢(けんせい)」という仕事が始まります。これは、ミツバチに春の訪れとともに、活動を始めてもらうために餌を与えるものです。
しかし今年は冬の寒さが例年よりも厳しく、ミツバチの数が伸び悩んでいました。

採蜜に向けてミツバチが増えてくれるかどうかの心配も少しありましたが、なんとか採蜜に間に合いそうなほどに群れを大きくすることができ、今ようやく一安心出来たところです。
基本的に、三ヶ日みかんは花の咲いている期間が短いため、はちみつは1群から年に2回しか採蜜することができません。
もちろん天候にも左右されるため、花の最盛期のミツバチの状況、花の生育状況や蜜の出具合など、様々な条件が揃ってようやくはちみつを採ることができるのです。

そして、ゴールデンウィークが明ける頃、いよいよ三ヶ日みかん蜂蜜の採蜜が始まります。
毎年、上手くいくこともあれば、上手くいかないこともあります。去年はこれで良かったのに、今年はこのやり方ではだめだったなど。本当に毎年「養蜂って難しいなぁ」と感じます。

ただ、それも自然相手だからこその醍醐味の一つだと思い、改めて地域や自然への感謝の気持ちを忘れず、ミツバチのサポートをしていきたいと思います。


【profile】
ぬくもりビーキーパー
大野 諒 Makoto Ono
ミツバチはもちろん、自然や生き物が大好き。身長に見合わない細身だが、体力には自信あり。ただ、暑いのが苦手なのでミツバチ相手でも軽装で仕事してます。

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