みなさま、いかがお過ごしでしょうか?
ぬくもり工房の伊藤です。
先日、地元である長野に日帰りで帰る機会がありました。
大学進学とともに静岡に来て、早5年目。
今も書いていて「5年も経つの…?」とビックリするほど、まだ静岡は私にとって新鮮な土地。そんな私だけかもしれませんが、未だにそわそわとすることがあります。
それは“山脈が見えない”こと。
長野の下半分(南側)に住んでいた頃、毎日自然に囲まれた生活を送っていました。畑や田んぼがありふれていて、窓を開ければ川の流れる音、虫とトンビの声、幼馴染の家は車で5分運転した先にあります。
朝、登校するためにドアを開ければ目の前に広がる豊かな緑。その奥に山、そのまた奥に脈々と連なる山、山、山…。
台風の時期、もちろん雨は降ります。しかし日本列島の気象注意報/警報を調べると、ぽっかり長野県だけ発令されていない!なんてこともよくある話。
(そういえば我が故郷最強のJR飯田線、雨が降ろうと雪が降ろうと止まらなかったことを思い出しました。高校が休校になるかならないかは飯田線の運航状況に左右されているという…。数少ない運休の知らせの原因も、確か鹿と接触したため、だったと記憶しています…笑)
そう、これまでの人生、必ず山脈に守られておりました。
静岡の地に来て1年は、見える景色がさっぱりしていることにどこか落ち着かない日々が続きました。(静岡の自然が豊かでないとかではなく、私があんまりに山育ちすぎる、ということ)
久々に地元に帰り、思わず深呼吸。
日差しは痛いほどだけれど、空気はさっぱりと澄んでいます。風が木々を揺らす音を、最近めっきり聞いていなかったなあとふと思い出しました。
涼を運んでくれる清流の音に癒されながら、眼前に広がる美しい南アルプスと晴天のコントラストを拝むひと時。
たとえ長野を離れたとしても、私の身体にはこの自然の繋がりが息づいていると感じさせられたのです。
浜松に帰ってきて、いつも通り出勤する朝。
その日もよく晴れていました。
朝日にきらきら輝いて、水面を揺らしている浜名湖を横目に運転する時間。
いつも通りの景色と、慣れ始めて早数ヶ月。
たった1日離れていただけなのに、山育ちの自分が顔を出して
「わ、きれい…」
とつぶやいてしまいました。
都会の生活も便利で住みやすいけれど、
こんな、肌で感じる幸せも噛みしめていきたいとぼんやり思うのでした。
今日も、誰かを想うひとときを。