【profile】
インナービューティー料理研究家
國塩 亜矢子 Ayako Kunishio
インナービューティー料理研究家、フードコーディネーターとして各種メディアでレシピコラムや美容栄養学の連載を持つ。趣味はファミリーキャンプ。
まじめな野球少年&おてんばガールの二児母として子育てママ向けのコラムも発信中!
Instagram @enjoytable_by.a


●今年も師走がやってきた!
今年も気が付けばもう12月。「師走」という名の通り日々走り抜けていきますが……こんな時こそ、ほっと一息つけるおうち時間が必要です。

我が家の子どもたちは、ハロウィンが終わった瞬間に
「はいっ、クリスマスツリー出すよ~!」
とウキウキと騒ぎ始めるので11月頭から毎日点灯するツリーや、思い出が詰まったオーナメントたちを眺めながら過ごしています。

そんな子どもたちと今年はじめて一緒に作ってみたのが「オレンジポマンダー」。
大人ひとりで作るのはもちろん、親子クラフトにもおすすめなんです。

●オレンジポマンダーって何?

オレンジポマンダーとは、オレンジなどの柑橘類にスパイスのクローブを挿してリボンで飾るオーナメントなのですが、実はコレ、欧米では昔から「魔除けアイテム」として愛されてきたアイテムなんです。
昔、ヨーロッパで感染症の「ペスト」が流行した時代に流行し、定着したと言われています。

クローブは、日本では「丁子(ちょうじ)」とも呼ばれるTの字型のスパイス。
エキゾチックな香りが特徴で、煮込み料理の臭み消しや香りづけに使われることが多いのですが、小袋で購入しても余りがち……気が付くと消費期限をとっくに過ぎてしまっていた!なんてこともあります。

そこで、おすすめなのがオレンジポマンダー作りなんです。
材料は柑橘類とクローブ、シナモンパウダーがあればOK。あとはマスキングテープ、爪楊枝2本、お好みのリボンを準備して。

冷えがちな冬日の体をポカポカと温めてくれるホットドリンク、そしてやさしい甘みをプラスしてくれるはちみつを、ポマンダー作りのお供にすればもう完璧。

私はお気に入りの濃い目に淹れたミルクティーに、二代目の蜂蜜を少量加えたドリンクを。子どもたちはミルクココアを準備して一緒に楽しく作りました。

●「オレンジポマンダー」基本の作り方

<材料>
・オレンジなどの柑橘類
・クローブ
・シナモンパウダー
・マスキングテープ
・お好みのリボン
・竹串また爪楊枝
※柑橘類は、温州ミカンなど皮がやわらかい品種よりも皮が硬いオレンジなどの方が挿しやすいのでおススメ。

<作り方>
1. 柑橘類の表面の汚れや水分をふき取り、クロスするように2箇所ぐるりとマスキングテープを張り付ける。
2. マスキングテープ以外の皮表面に、爪楊枝で穴をあけてからクローブを挿す。

この時キッチンペーパーを敷いて果汁を丁寧に拭き取りながら作業すると良い。(水分が表面に残っているとカビの原因になります)

3. クローブを皮に刺し終えたら、シナモンパウダーをたっぷり入れたビニール袋に入れて軽く振り、全体にシナモンをまぶした状態で数日間置く。(常温でOK)

4. 袋の中で軽くシナモンを振り落としてから取り出し、風通しの良い場所で10日~2週間ほど乾燥させる。(完成形は少し縮む)
5. しっかり乾燥してカビもなければ、マスキングテープを貼った部分にお好みのリボンを添えて固定すれば完成。オーナメントとして飾って楽しめます。

●スパイスの抗菌作用に注目!
水分量の多い生の果実に、スパイスを挿したりまぶすだけで腐敗もせず、乾燥したオーナメントになるなんてすごいですよね。
これには、クローブとシナモンの高い抗菌作用が関係しています。ハーブやスパイス類は、西洋医学が発展する前は、薬代わりとして代用されてきたものが少なくありません。
特に高い抗菌作用が期待されるクローブは「病気に負けないスパイス」として重宝されてきました。

●はちみつ×スパイス

また、クローブやシナモンは紅茶やコーヒーに加えるのもおすすめ。
ほんのりエキゾチックな香りが移ることでいつもとはちょっと違う味わいを楽しめます。はちみつで甘さを調整すれば、おうちカフェ気分も上がりますよ。
はちみつも高い抗菌作用が期待されている食材なので、私にとっては日々の美容や健康に欠かせない食材です。

●ホリデーシーズンこそおうちで過ごそう

あわただしく過ぎていく12月の毎日。
年内にやり切りたいこと、大掃除、年賀状など新年の準備などなど書き出すと本当にキリがありませんが、こんな時こそパートナーやかぞくと労りあい、絆を深める時間を積極的に取り入れて心身ともにほっこりと癒されたいもの。

はちみつ入りのドリンクをお供に映画を見たり、ボードゲームをしたり、一緒に料理の準備をする時間は、当たり前のようでいてとても贅沢な時間。

2023年の12月は一度だけ。

決してタイムマシンで戻ることのできない「今」を、大切な人と味わいつくし・楽しみつくす師走の日々になりますように。
(オレンジポマンダー作りが気になった方はぜひトライしてみて下さいね)


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